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高村 光太郎(たかむら こうたろう、1883年(明治16年)3月13日 - 1956年(昭和31年)4月2日)は、日本の詩人・彫刻家。東京府東京市下谷区下谷西町三番地(現在の東京都台東区東上野一丁目)出身。本名は光太郎と書いて「みつたろう」と読む。
日本を代表する彫刻家であり、画家でもあったが、今日にあって『道程』、『智恵子抄』等の詩集が著名で、教科書にも多く作品が掲載されており、日本文学史上、近現代を代表する詩人として位置づけられる
本文内容見本
触覚の世界 高村光太郎
私は彫刻家である。
多分そのせいであろうが、私にとって此世界は触覚である。触覚はいちばん幼稚な感覚だと言われているが、しかも其れだからいちばん根源的なものであると言える。彫刻はいちばん根源的な芸術である。
私の薬指の腹は、磨いた鏡面の凹凸を触知する。此は此頃偶然に気のついたことであるが、ガラスにも横縦がある。眼をつぶって普通の玻璃《はり》面を撫でてみると、それは丁度木目の通った桐のサツマ下駄のようなものである。磨いた鏡面はさすがにサツマ下駄でもないが、わずか五寸に足りない長さの間にも二つ程の波がある事を指の腹は知るのである。傾斜の感覚を薬指は持っているのであろう。鏡面の波動を感ずる味わいは、丁度船のおだやかなピッチングのようである。少し快よい眩暈《めまい》を感じさせる程度である。
人は五官というが、私には五官の境界がはっきりしない。空は碧《あお》いという。けれども私はいう事が出来る。空はキメが細かいと。秋の雲は白いという。白いには違いないが、同時に、其は公孫樹《いちょう》の木材を斜に削った光沢があり、春の綿雲の、木曾の檜《ひのき》の板目とはまるで違う。考えてみると、色彩が触覚なのは当りまえである。光波の震動が網膜を刺戟《しげき》するのは純粋に運動の原理によるのであろう。絵画に於けるトオンの感じも、気がついてみれば触覚である。口ではいえないが、トオンのある絵画には、或る触覚上の玄妙がある。トオンを持たない画面には、指にひっかかる真綿の糸のようなものがふけ立っていたり、又はガラスの破片を踏んだ踵《かかと》のような痛さがあるのである。色彩が触覚でなかったら、画面は永久にぺちゃんこでいるであろうと想像される。
音楽が触覚の芸術である事は今更いう迄もないであろう。私は音楽をきく時、全身できくのである。音楽は全存在を打つ。だから音楽には音の方向が必要である。蓄音機やラジオの音楽が大した役を為さないのは、其れが音の方向を持たないからである。どんなに精巧な機械から出て来ても此複製音は平ったい。四方から来ない。音楽堂の実物の音楽は、そこへゆくと、たとい拙くとも生きている。音が縦横に飛んで全身を包んで叩く。音楽が私を夢中にさせる功徳を、ただ唯心的にのみ私は取らない。其は斯《か》かる運動の恐ろしい力が本になっているのである。私は昔、伊太利《イタリー》のある寺院で復活祭前後に聴いたあの大オルガンの音を忘れない。私はその音を足の裏から聞いたと思った。その音は全身を下の方から貫いて来て、腹部の何処かで共鳴音を造りながら私の心に届いたようにおぼえている。
音楽の力が生理的要素から来るのは分かり切った事である。ワグネルの或音楽をきくと若い独逸《ドイツ》人は知らぬ間にポルーションを起すという。私にはその経験こそなけれ、其れに近い恍惚《こうこつ》を感ずる事は事実である。音楽に酔うというのは卑近に言えば酒に酔うというよりも、むしろマッサアジに酔うという方が近い。どうかすると性に酔うようなものである。其処を通りぬけて心霊に響くからこそ、あの直接性があるのであろう。
代表作品
道程
智恵子抄
をぢさんの詩
記録
典型
暗愚小伝
歌集
白斧
美術評論
印象主義の思想と芸術
美について
造形美論
随筆
某月某日
独居自炊
山の四季
名作速読朗読文庫vol.488高村 光太郎全集読上機能付きProfessional版
vol 件数 作家名 タイトル カテゴリー/文字数/文字量
488 1 高村 光太郎 回想録 随筆 37150 大
488 2 高村 光太郎 顔 随筆 805 小
488 3 高村 光太郎 木彫ウソを作った時随筆 2679 小
488 4 高村 光太郎 九代目団十郎の首随筆 2197 小
488 5 高村 光太郎 黄山谷について 随筆 1578 小
488 6 高村 光太郎 小刀の味 随筆 1301 小
488 7 高村 光太郎 自作肖像漫談 随筆 4273 中
488 8 高村 光太郎 詩について語らず集子への手紙――随筆1383小
488 9 高村 光太郎 自分と詩との関係随筆 1907 小
488 10 高村 光太郎 触覚の世界 随筆 4373 中
488 11 高村 光太郎 書について 随筆 2656 小
488 12 高村 光太郎 蝉の美と造型 随筆 3471 中
488 13 高村 光太郎 啄木と賢治 随筆 1309 小
488 14 高村 光太郎 智恵子の半生 随筆 13149 大
488 15 高村 光太郎 ヒウザン会とパンの会 随筆 4383中
488 16 高村 光太郎 美術学校時代 随筆 7558 大
488 17 高村 光太郎 人の首 随筆 2941 小
488 18 高村 光太郎 美の日本的源泉 随筆 11938 大
488 19 高村 光太郎 ミケランジェロの彫刻写真に題す 随筆1221小
488 20 高村 光太郎 緑色の太陽 随筆 5260 中
488 21 高村 光太郎 山の秋 随筆 7635 大
488 22 高村 光太郎 山の春 随筆 3910 中
488 23 高村 光太郎 山の雪 随筆 4217 中
488 24 高村 光太郎 (私はさきごろ)随筆 1555 小
合計冊数 24 合計文字数 128849
名作速読朗読文庫とは
名作速読朗読文庫は、読書の喜びを多くの人に知って戴くため 聞いても読んでも楽しめる文庫です
視覚障害者の方もご利用できる音声でも聞こえるシステムが附属しています
速読能力開発ツールも付属し、これを使うと だれでも本を読むスピードは速くなり、脳が短時間で多くの情報を処理する速読能力がつきます
名作は多くの人生の縮図がはいっており、多くの本を読むことは 一生の財産となります
特徴
簡単に速読が身につく読書能力開発ツールが附属しています
目がご不自由な方には 自動で読んでくれますので重宝します
寝ていても読書ができます 耳で聞くと、記憶に残り楽しい余韻があります
他を寄せ付けない圧倒的なボリュームページと多人数でつかえる高機能設定です
日本・世界の童話から古典まで 不朽の一流名作文学集を集大成、
小学生から一般成人まで だれでも すぐ ご利用可
むつかしい漢字がわからなくてもどんどん読み進めれます
誰でも読書量が劇的に増加します!
□ただ聞くだけ
□文学の内容量の大小から選択可
□完了した読書量を数値でグラフ化
□現在の読書スピードを数値化
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更新作業をすれば、正しい読みとなります
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高村 光太郎(たかむら こうたろう、1883年(明治16年)3月13日 - 1956年(昭和31年)4月2日)は、日本の詩人・彫刻家。東京府東京市下谷区下谷西町三番地(現在の東京都台東区東上野一丁目)出身。本名は光太郎と書いて「みつたろう」と読む。
日本を代表する彫刻家であり、画家でもあったが、今日にあって『道程』、『智恵子抄』等の詩集が著名で、教科書にも多く作品が掲載されており、日本文学史上、近現代を代表する詩人として位置づけられる
本文内容見本
触覚の世界 高村光太郎
私は彫刻家である。
多分そのせいであろうが、私にとって此世界は触覚である。触覚はいちばん幼稚な感覚だと言われているが、しかも其れだからいちばん根源的なものであると言える。彫刻はいちばん根源的な芸術である。
私の薬指の腹は、磨いた鏡面の凹凸を触知する。此は此頃偶然に気のついたことであるが、ガラスにも横縦がある。眼をつぶって普通の玻璃《はり》面を撫でてみると、それは丁度木目の通った桐のサツマ下駄のようなものである。磨いた鏡面はさすがにサツマ下駄でもないが、わずか五寸に足りない長さの間にも二つ程の波がある事を指の腹は知るのである。傾斜の感覚を薬指は持っているのであろう。鏡面の波動を感ずる味わいは、丁度船のおだやかなピッチングのようである。少し快よい眩暈《めまい》を感じさせる程度である。
人は五官というが、私には五官の境界がはっきりしない。空は碧《あお》いという。けれども私はいう事が出来る。空はキメが細かいと。秋の雲は白いという。白いには違いないが、同時に、其は公孫樹《いちょう》の木材を斜に削った光沢があり、春の綿雲の、木曾の檜《ひのき》の板目とはまるで違う。考えてみると、色彩が触覚なのは当りまえである。光波の震動が網膜を刺戟《しげき》するのは純粋に運動の原理によるのであろう。絵画に於けるトオンの感じも、気がついてみれば触覚である。口ではいえないが、トオンのある絵画には、或る触覚上の玄妙がある。トオンを持たない画面には、指にひっかかる真綿の糸のようなものがふけ立っていたり、又はガラスの破片を踏んだ踵《かかと》のような痛さがあるのである。色彩が触覚でなかったら、画面は永久にぺちゃんこでいるであろうと想像される。
音楽が触覚の芸術である事は今更いう迄もないであろう。私は音楽をきく時、全身できくのである。音楽は全存在を打つ。だから音楽には音の方向が必要である。蓄音機やラジオの音楽が大した役を為さないのは、其れが音の方向を持たないからである。どんなに精巧な機械から出て来ても此複製音は平ったい。四方から来ない。音楽堂の実物の音楽は、そこへゆくと、たとい拙くとも生きている。音が縦横に飛んで全身を包んで叩く。音楽が私を夢中にさせる功徳を、ただ唯心的にのみ私は取らない。其は斯《か》かる運動の恐ろしい力が本になっているのである。私は昔、伊太利《イタリー》のある寺院で復活祭前後に聴いたあの大オルガンの音を忘れない。私はその音を足の裏から聞いたと思った。その音は全身を下の方から貫いて来て、腹部の何処かで共鳴音を造りながら私の心に届いたようにおぼえている。
音楽の力が生理的要素から来るのは分かり切った事である。ワグネルの或音楽をきくと若い独逸《ドイツ》人は知らぬ間にポルーションを起すという。私にはその経験こそなけれ、其れに近い恍惚《こうこつ》を感ずる事は事実である。音楽に酔うというのは卑近に言えば酒に酔うというよりも、むしろマッサアジに酔うという方が近い。どうかすると性に酔うようなものである。其処を通りぬけて心霊に響くからこそ、あの直接性があるのであろう。
代表作品
道程
智恵子抄
をぢさんの詩
記録
典型
暗愚小伝
歌集
白斧
美術評論
印象主義の思想と芸術
美について
造形美論
随筆
某月某日
独居自炊
山の四季
名作速読朗読文庫vol.488高村 光太郎全集読上機能付きProfessional版
vol 件数 作家名 タイトル カテゴリー/文字数/文字量
488 1 高村 光太郎 回想録 随筆 37150 大
488 2 高村 光太郎 顔 随筆 805 小
488 3 高村 光太郎 木彫ウソを作った時随筆 2679 小
488 4 高村 光太郎 九代目団十郎の首随筆 2197 小
488 5 高村 光太郎 黄山谷について 随筆 1578 小
488 6 高村 光太郎 小刀の味 随筆 1301 小
488 7 高村 光太郎 自作肖像漫談 随筆 4273 中
488 8 高村 光太郎 詩について語らず集子への手紙――随筆1383小
488 9 高村 光太郎 自分と詩との関係随筆 1907 小
488 10 高村 光太郎 触覚の世界 随筆 4373 中
488 11 高村 光太郎 書について 随筆 2656 小
488 12 高村 光太郎 蝉の美と造型 随筆 3471 中
488 13 高村 光太郎 啄木と賢治 随筆 1309 小
488 14 高村 光太郎 智恵子の半生 随筆 13149 大
488 15 高村 光太郎 ヒウザン会とパンの会 随筆 4383中
488 16 高村 光太郎 美術学校時代 随筆 7558 大
488 17 高村 光太郎 人の首 随筆 2941 小
488 18 高村 光太郎 美の日本的源泉 随筆 11938 大
488 19 高村 光太郎 ミケランジェロの彫刻写真に題す 随筆1221小
488 20 高村 光太郎 緑色の太陽 随筆 5260 中
488 21 高村 光太郎 山の秋 随筆 7635 大
488 22 高村 光太郎 山の春 随筆 3910 中
488 23 高村 光太郎 山の雪 随筆 4217 中
488 24 高村 光太郎 (私はさきごろ)随筆 1555 小
合計冊数 24 合計文字数 128849
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